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66個の金魚の水槽

だいたいいつも愛が重い。@bocnoko

《Blue》

世界中の青を集めて、重ねたみたいな宵の闇。

昔下校途中、友人が口ずさんだフレーズ。なんて綺麗な言葉だろうと思った。LUNKHEADのインディゴという曲の歌詞だと知った。それから高校時代はこのバンドに傾倒することになるのだけれど。

なんとなくiPod中のCDジャケットの青を集めて重ねて、好き勝手感想。
 
※ユニゾン贔屓にならないように気をつける。
 

1.UNISON SQUARE GARDEN(UNISON SQUARE GARDEN)

UNISON SQUARE GARDEN

センチメンタルピリオド」のMVで真っ白な服に青色のペンキを被って歌う斎藤さんが印象的。ユニゾンのメジャー1stアルバム。
1曲目の「カラクリカラクレ」から驚く。あんなに華奢で中性的な声の繊細な少年のようだったボーカルが、その瑞々しさは残したままエッジの効いた骨太な声。冒頭3曲の流れでの掴みは完璧で素晴らしいし、4曲目「デイライ協奏楽団」からのポップな変態性もクセになる。「箱庭ロック・ショー」で狭い世界観の中でぶち上がって、クローバーの甘い甘いバラードで締める。
田淵のつくるポップなメロディラインと、引出しの多いドラムと合わさって、たった3人でスーパーハイブリッド。どこから飛び出てくるか分からない、だけどピッタリはまる、目が眩むほどポップでファンキーな音の言葉の粒。声も言葉もメロディも、ちょっとくどいけどすべてハイクオリティで、全く飽きさせない。
総じて今のユニゾンよりも少し攻撃的でロック寄り。だけどそれを呼ぶのに初期衝動という言葉では余りにももの足りない。すべて計算された青さであってほしいし、やっぱりちょっと計算外でいてほしい。

収録曲:センチメンタルピリオド、箱庭・ロックショー


2.BAND OF DESTINATION(BLUE ENCOUNT)

BAND OF DESTINATION

ブ...ブルエン?何故かiPodに入ってるシリーズ。この手のエモーショナルなんたら?エモロック?界隈のバンドにまるで興味が無い。もっと言うとこわい。

オープニングのインスト含め15曲収録のフルボリュームで、研ぎ澄ましたエモーショナルを振りかざしてくる。立ち向かうほどのエモーショナルを持ち合わせてない。

だってもう歌詞カードから既に「!」マークが多いもん。そんなに主張しなくても、君たち充分エクスクラメーションだよ。こわい。ガッツ出せ私。
だけど1曲が短いのもあってわりとスッと聴ける。途中挟まれる「YOU」はポップなバラードだし、いきなりファンクな「D.N.K」なんかもダレされないのに一役買っている。
センチメンタルな感情に激情的な音を乗せて無理やり奮い立たされると脳内に快楽物質が出まくってしまう。ELLEGARDENの頃からそう。

相変わらず私の好みではないけれど、界隈のキッズたちを盛り上げて奮い立たせておくれ。

収録曲:HALO、アンバランス


3.TEENAGER(フジファブリック)

TEENAGER


弾けるようなハツラツとした青色。伴う寂しさや悲しみはきっと成長の証。大人になってから思い出す10代の季節はきっとこんな色だった。

他の癖の強いアルバムに比較すると、爽やかで聴きやすいのでフジファブリックへの入口の1枚としてオススメされることも多い。

若者のすべて」を筆頭に、夏を彷彿とさせる。(どっこい発売は冬)。リードトラックでもあるこの曲は今更言及するまでもなく情緒的な名曲。浸っていると、そこから3曲の怒涛の変態チューンがめちゃめちゃいい。「東京炎上」はこのアルバムに入ると少し異質な気もするけど、この違和感がクセになる。終盤、「星降る夜になったら」の爽やかな疾走感で切なさが駆け抜けて再度泣く。

得意の情緒的な描写と、変態ポップが混ざり合って、そこにちょっと甘酸っぱさと瑞々しくて切ない夏の日差しを加えたようなアルバム。驚くくらい純粋無垢にも、信じられないくらいドロドロ醜くもなれたのが10代。変幻自在なフジファブリックの音楽の映す不安定な季節、マジでマジでマジで良い。

収録曲:若者のすべて、Surfer King


4.PARADISE LOST(ART-SCHOOL)

PARADISE LOST

世界は無意味、理解の果ての絶望と悲しみの青。歌詞カードにそんなことが書いてあった。ような。メンバー脱退後、世間で言う第二期ART-SCHOOLの、「失楽園」と題された3rdアルバム。グラスゴーでレコーディング、Tony Dooganプロデュースなだけあって、めちゃめちゃオルタナティブ

熱心なファンというわけではないので、ART-SCHOOLらしさというものの実態を私はあまり知らないけれど、もともとわりと湿っけのある、ジメジメとしたグランジ系バンドだと思ってた。けどこのアルバムは北国の空気感もあるのか、とても乾燥した諦めとか悲しみ。もともと木下の声も湿度低いから、もう完全に低体温、寒空。低体温だからこその「とりあえず肌重ねようや」みたいな詞。
そんな中にファンクな曲が2曲あったりして。人気曲「クロエ」はもちろん、さらにファンク色強くした「PERFECT KISS」。とても良い。木下理樹がやるファンクっぽいなにか。別アルバムだけど「その指で」とかも好き。

そもそもこのバンドメロディラインはとてもポップよね。壊滅的にボーカルが歌下手で陰気臭いだけで(失礼)

収録曲:クロエ、あと10秒で

 

5.NEW TOWN(FOLKS)

NEWTOWN

北海道出身FOLKS1stミニアルバム。なんとなく北海道贔屓。全体的にはUKぽいけど、シンセの響くエレクトロもあるし、アコースティックギターもある。全部で7曲の楽曲はアレンジのバリエーションが多くて、どの曲も印象が違う。だけどとっ散らかってるわけではない。

緻密に計算されて、組み立てられて、真摯に表現しようとしている。全編通して、なんだか実態がよく分からない、特有の浮遊感が漂う。

歌詞カードはメンバーの住む北海道恵庭ニュータウン恵み野の街の風景なのかな。ニュータウン。人の暮らす街。隣に書かれた歌詞は、別れと寂しさと決意のとても人間味溢れる言葉なのに、何故か無機質なものに聞こえる。歌の力、というのではなくて、音の広がりとサウンドスケープと、独特の浮遊感とひんやりした質感、そういったものを楽しむ1枚でしょうか。

写真は太田好治さん。この方の撮る写真好き。

http://www.yoshiharuota.com/portfolio/

 

収録曲:Everything is Alone、River

 


6.生命力(チャットモンチー)

生命力


邦楽で赤盤青盤といえば、これかsyrup16gベスト。当時23歳。若さはかけがえない。等身大なファンタジックラブロック(なにそれ)の金字塔。

映画やアニメのタイアップも増え「シャングリラ」「飛び魚のバタフライ」「橙」「世界が終わる夜に」「女子たちに明日はない」といった代表曲が勢ぞろい。

1曲目は前作"耳鳴り"からの続編「親不らず」。ちょっと肩肘はったデビュー盤の前作から一皮剥けて、このバンドの基盤が出来てきた頼もしさもある。

「真夜中遊園地」のメロディラインの緊張感と心地良さは息を呑むし、かと思いきや天才ガールズロマンス詩人高橋久美子による「バスロマンス」とかいう超絶かわいい悶絶恋愛ポップ。

3ピースバンドって、どうしてもボーカルが歌とギターと作詞作曲の圧倒的フロントマン。でもこの3人は本当に役割のバランス取れてる。

女の子3人でそれぞれ持ってるもの持ち寄って、最低限の少ない音で厚みを出そうとする隙間感と潔さがとても好き。たくさんプロデュースもついてるのにね。シンプルにギターロックしてる名盤。

 

収録曲:シャングリラ、飛び魚のバタフライ

 

7.青に染まる白(LUNKHEAD)

青に染まる白

 

「青」というキーワードは彼らのキャリアの中で繰り返し用いられてきた。1stミニアルバム”影と煙草と僕と青”もそうだし、セルフタイトルの”LUNKHEAD”では青いペンキを被っていた。その度みせる青の印象は違っていて、海の底のようなくらい青もあったし、晴れわたる空のような爽やかな青もあった。

そんなこんなの8thアルバム。しばらく遠ざかってい間にこのバンドは色々なものを失っていて、だけど、失ったぶん尖って、率直に言えばめちゃめちゃ格好良くなっていた。 

冒頭2曲はエッジの聴いたロックチューン。3曲目の「果てしなく白に近づきたい青」は曲名のとおり今回のアルバムの中核を担う。先行シングルとして発売されたこの曲を聴いたとき、大好きなランクヘッド過ぎて涙がでた。きっと、ただ原点回帰しただけの青臭さなら、こんな風には感じなかった。紆余曲折を経て、なんならもう30代のおっさんになって、それでも鳴らす青臭さだったから。そうだった、こうやって前進して、こんな感じで生きていくバンドだった。

”明るい日と名付けた まだ何処にもないその日を”と、この上なく前向きな言葉でアルバムを締めくくる「明日」という曲。どれだけ失っても、傷ついても、小高芳太朗という男は結局最後には希望を歌ってしまう。だからこのバンドに何度となく助けられてきたんだ。

収録曲:果てしなく白に近づきたい青、明日


 

続くよ!(終われ)