66個の金魚の水槽

好きな音楽と映画と場所のことをダラっと書いています。

ロックンロールが降ってきた日

2週間後に発売を控えたライブDVDのスポット映像を観たら、大好きだった音楽の粒が降ってきた。もうダメだと思った矢先に、たった60秒間の映像で、なんだかスッと心が軽くなってしまった。はじめて自分の意思で聴いた音楽。間違いなく、世界で一番大好きだったバンド。

 

皆憶えているものなんだろうか。自分を変えてしまうくらいの音楽と出会った日のことって。私はやたらはっきり憶えてるんだよな。

 

 

音楽=うたばんとかMステーションに出てくる人たちだと思っていた。中高生に流行ってるものを教えてくれる姉や兄はいなかったし、バンド音楽に精通してる系のパンクな友だちもいなかった。結果として小学生の私にとっての音楽は、SMAPであり、ポルノグラフィティであり、あとなんだろうミスチルとか。

 

 

中学に入学したら、先輩がリリィという曲を歌っていた。変な曲だと思った。CDを借りた。

 

今思えばこのバンドの曲の中では珍しい正統派ラブソングだったわけだけれど。だけどギターがガシャガシャ鳴って、ザラついた声で歌うこの曲を、当時の私の頭ではラブソングだとは認識できなかった。

 

良いとか悪いとか、好きだとか嫌いだとか、そういうのではなくて、自分の知らない世界がこんなにあるのかというガツンとした衝撃だった。辛さという痛みを味覚だと錯覚するように、その衝撃を好きだという気持ちと錯覚した。

 

思春期特有の心の隙間を、音楽で埋めることを覚えた。幼かった私はとにかくうっかりこのバンドの音楽に救われてしまった。

ありふれていたなぁ。友だちと教室で読み漁ったロッキンオンジャパンも、毎日毎日繰り返し聴いて擦り切れたMDも、憧れて買った同じギターも。私にとっては特別だっけれど、あまりにもありふれていて笑ってしまう。

 

急に何の話してるんだか。

あの60秒の映像で思い出した。彼らが20年バンドをやってきた途中、私も彼らの音楽に出会って、ちょっとだけ隣を歩かせてもらった。なんかねぇ、もうどこかで楽しそうにライブやっててくれるだけで十分だなぁ。私はもう充分過ぎるほど色々受け取ったもの。寂しいけれど。

 

 

 

地元から離れた街に電車で通って、

セーラー服を着て並木道を歩いて、

ギターがガシャガシャ鳴る音楽を聴くようになった。 

 

全然ロックンロールじゃなかったけど。

ロックンロールが降ってきた日。

 

 

ライブDVD発売楽しみ。

 

 


LIVE BD / DVD『BUMP OF CHICKEN結成20周年記念Special Live「20」』スポット

 

ロックンロールが降ってきた日 (P-Vine Books)